ETFのしくみと投資信託との違い、メリット・デメリットについて

ETFとは

ETFとは、Exchange Traded Fundのの略で、証券取引所に上場されている投資信託です。日本では株価指数連動型上場投資信託と呼ばれています。ETFを利用することで、インデックスに連動したパッシブ型投資を少額で効率よく行うことができます。今回は、ETFのしくみと、通常の投資信託との違いについてわかりやすく説明します。

ETFのしくみ

今回は株価指数に連動するETFを例として説明します。ETFは証券会社に上場することによって、他の株式と同様に取引することができます。まずETFでは、指定参加者と呼ばれる機関が発行(ETFの設定)を行います。指定参加者は株価指数の構成する全ての銘柄からなる現物株式の集合体(指数構成銘柄のレプリカ)である 「現物株バスケット」を作成します。 指定参加者は、この「現物株バスケット」を運用会社に引き渡し、代わりにETF受益証券を得ます。この運用会社が発行したETFを指定参加者は証券会社に上場させることによって、投資家は証券会社を通じてETFを売買することができます。

指定参加者の詳細

実際にどのような機関が指定参加者となっているかは、国内のETFであれば東証のWebページから確認できます。たとえば、2018年10月において、野村アセットマネジメントが発行する日経225上場型投資信託 (1321) は、SMBC日興証券、大和証券やゴールドマン・サックス証券を始めとする17社が指定参加者として登録されています。

また、指定参加者はETFを現物株バスケットに交換することが可能です。これにより、指標を構成する銘柄の株価変動に応じて、指定参加者は活発な裁定取引を行います。これにより、ETFの市場価格と株価指数は(結果的に)連動するようになります。

投資信託との違い

ETFと投資信託との違いを、以下に示します。

項目 ETF 投資信託
どこで購入できるか? 証券会社 証券会社・銀行(購入できる種類は、会社によって異なる)
価格の決定タイミング 取引時間中に随時変動する 基準価格が1日ごとに定められる
信用取引可能か? 可能 不可
購入時の手数料 各証券会社の株式購入の手数料に準ずる。数百円〜数千円程度 投資信託の種類によって異なる。購入価格の0%~1/5%程度
信託報酬 低い傾向にある( iシェアーズTOPIX ETF(1475)で0.06%) 高い傾向にある(eMAXIS 国内株式(TOPIX連動)で0.172%
自動積立(定時定額買付)可能か? 各証券会社の”るいとう”銘柄にETFが対応していれば可能 定額買付により可能
分配金(配当)の再投資されるか? 基本的にされない される

上記の内容から、以下のようなETFには以下のようなメリット、デメリットがあることがわかります。

ETFのメリット

ETFのメリットとしては、取引所が開いている時間であればいつでも取引可能であるとこと、リアルタイムな価格が反映されること、投資信託に比べて信託報酬が低めとなっているなどが挙げられます。また、株式と同じ扱いであるため、信用取引ができるという事もメリットとして挙げられます。

ETFのデメリット

ETFのデメリットとしては、投資信託に比べ定額買付が一部できなかったり、分配金の再投資がされないという点が挙げられます。ETFを長期で保有して運用する場合、分配金の再投資が受けられないと、複利の効果が小さくなってしまうため注意が必要です。

まとめ

本稿は、ETFのしくみと投資信託との違いをまとめ、ETFのメリット、デメリットを説明しました。ETFは長期で投資する場合有力な選択肢となりますので、信託報酬や分配金の有無などを勘案して、適切なものを選びましょう。