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株式資金調達の形態について
第三者割当増資
ベンチャーキャピタルや事業会社などの特定の第三者(49名以下)に新株を割り当てて増資を行う手法です。主に未上場企業の株式調達手段として日本でメジャーな手法です。
公募増資
新株発行の際に不特定且つ多数(50名以上)の投資家に対して勧誘・割当てて増資を行う手法です。上場企業の株式調達手段としてメジャーな手法です。日本では未上場企業が実施することはまれです。
公募増資実施時の財務局への届出について
①1億円以上の調達の場合
未上場企業には負担が重く、現実的ではありません。有価証券届出書を財務局に提出する必要(EDINETを利用)があり、有価証券報告書の継続開示も必要です(金融商品取引法第四条第一項)
②1,000万円以上、1億円未満の場合
未上場企業でも現実的に可能です。募集開始直前に有価証券通知書を財務局に提出する必要があります(金融商品取引法第四条第六項、企業内容等の開示に関する内閣府令第四条)
③1,000万円未満の場合
未上場企業でも現実的に可能です。届出は不要です。
公募増資を実施する手段
(A)発行会社に代わって、証券会社などの金融商品取引業者が募集を行う
従来は証券会社のみ実施可能でしたが、2014年5月に1億円未満の公募増資に限って参入要件を緩和し、第一種少額電子募集取扱業者として登録を受けた業者も取扱可能となりました。
課題
・取扱業者のデューディリジェンスに対応する事務コストが発生する
・取扱業者のスクリーニングの結果次第では、募集ができない可能性がある
・取扱業者へ高額な手数料(約20%)が発生する
(B)発行会社が自己募集を行う
準備期間1ヶ月、ファイナンス期間1ヶ月の最短2ヶ月で実施可能です。
課題
・調達予定金額を充足するための十分な投資家を集める必要がある
・公募増資を実施するノウハウが発行会社にない